長い長い数ヶ月の度重なる納期の嵐と撮影のはしご。
寝れず、帰れず、風呂入れず。
しかも、間に長崎の撮影という身動きの取れない現実。
急遽、滞在中のホテルをアトリエに改造し
作業も同時にやり続ける日々。
何度ダメかと思ったことか。
俺が悪い。
一緒に働く仲間たちはどんどんズタズタになっていく。
俺は何をしてるんだ。
みんなごめん!
『でも、やるしかない!!』
この言葉が大っ嫌いだった。
なのに自分で言っちゃってるよ。
終わっても終わっても次々とくる納期。
倒れてもおかしくなかった。
頂いたお仕事はほんとに素晴らしいものばかりで。
でも、みんなに与えてるこの現実。
こんなの、なんにも素晴らしくない。
追い込まれて得たことは大きかった。
これからの方向性も見えたし、
きっかけとなる出会いもあった。
こんな日々も終わりは来る。
みんな、本当に本当にお疲れ様。
どれ位ぶりかに帰る家のポストはパンパンで
入り口からチラシがはみ出してた。
そこまでしてポスティングしなくても・・・
と、いらんもんばっかり捨ててたら
一枚の小さな封筒が出てきた。
中を見ると
『健康御守』
どうりでぶっ倒れなかった訳だ!!
涙がでた。
地元鹿児島の古い友人。
数ヶ月、友人たちの連絡はほぼ受けれなかった。
想いだけをそっとポストに入れてくれてた。
いつも俺は助けられてばかりだな。
地獄の日々の途中
どうしょうもない気持ちの時に
すごいタイミングで電話をくれた東京の友人もいた。
ラストスパート頑張れたなぁ。
頑張ってる人の言葉に励まされ力を貰った。
お守りをくれるお守りのような友人もいる。
こんなにしんどいのに笑顔でいてくれた
仕事仲間もいる。
大切な大切な家族もいる。
あっ、こんなに幸せ。
雑念が吹っ飛んだ。
大バカヤローの俺は、
みんなに恩返しをする準備をしなくては。
そして
新しいことを思いついた。
『やるしかない』が好きになった。
人は、人がいないと人でいれませんね。
沢山、沢山、
ありがとう。
Taiga